どうも、現役の不動産会社員のmasaru(@masaru)です。
私の経験談の続編です。
会社で保有しているマンションに賃借人が住んでおり、その賃借人が会話が成り立たない人で退却したところでしたね。
居住者と会話後作戦会議
会社保有マンションの居住者に話を聞きに行ったら衝撃的に会話ができない女性が登場。
会社に戻って、整理をしてみる。
現在の権利関係・登場人物
・所有者:会社
・賃貸人:会社
・賃借人:Aさん(死亡)
・居住者:Aさんの奥さん
・相続人:Aさんの奥さん 他不明
・保証会社:賃借人死亡の為解除
・緊急連絡先:Aさん叔父 電話不通
現在唯一話ができる居住者兼相続人の奥様に話を聞きに行ったら全く会話が成り立たない特殊な人。
うーん、どうしましょう。
社内会議をした結果以下のような方針に。
・賃料を払わないのであれば退去の方向で動く
・その為にまずは書面で家賃の請求
・それと同時に顧問弁護士に今後の相談と司法書士に居住者の家族親族の調査を依頼
居住者は状況を理解できていない可能性もあるが仕方がない。
賃料をもらわないとこちらも困る。
顧問弁護士に状況説明と今後の方針とそれに対する相談のメールを送信。
masaruは居住者が理解できるような根拠となる書類をコピーして渡せるように準備して再訪。
2度目の訪問
賃料が払えるかどうかの疑問があるが、まずは賃料を支払ってもらうために現状を理解してもらう必要がある。
玄関前に到着。
相変わらず玄関扉の隙間には段ボールが刺さっているし、のぞき穴の上にはなぞの言葉。
『御用の方は猫のようにニャーニャーと鳴いて下さい』
相変わらず怖いよ。
ただ一度訪問しているせいか耐性が付いたようでそこまで緊張せずインターフォンを押す。
すると、なんと今回はすんなり玄関を開けてくれました。
60~70代の小柄な女性が出てきました。
長くて白髪交じりの髪の毛を頭の上でお団子にして束ねており、スウェットのような黒いズボンと赤系の派手目なスウェットトップスを着て、丸まった背中だが毅然とした態度を感じる。
うちの会社が所有していることがわかる書類を持ってきましたよ。ご主人様と交わした契約書の写しも持ってきました。
そんなこと言っても信じられませんよ!どうして私だけがこんな目に合うんですか!主人は家出したっきり戻ってくなくて死んでしまうし、なんで払うんですか!ここはうちの(私の)ですよ!
1回目ほどの圧はなかったが、大きな声でやはり会話のキャッチボールができず意味不明なことを言う。。。
1時間程度話したあと書類を渡して退散。
書類はいくつか渡してあり、これまでの滞納額と支払期限、その振込先を記載した書類がメイン。
ただあの様子だと書類を見ても状況を理解する気がしない。
いや、理解しているけど理解していないふりをしているとも考えられる。
今後の行動
居住者の意思はわかったので、次のステップとして相続人を探してみる。
賃借人であるご主人が亡くなり賃借権も相続される。
奥様は必ず相続人になるので、あとは親族がいるかどうか。
親族がいれば相続人になる可能性がある。
そこで司法書士に事前に相続人の調査を依頼済み。
数日して司法書士より連絡がきた。
相続人は以下のようになっていた。
賃借人の相続人
第1順位相続人:娘1人
第2順位相続人:母第
3順位相続人:兄
まさかの第3順位まで。。。
第1順位の相続人が相続放棄したら第2順位へ。第2順位の相続人が放棄したら第3順位へ。第3順位の相続人が放棄したら相続人がいなくなり、家庭裁判所指揮のもと国庫に帰属します。(国に返すということ)
相続人が解ったところで、次はどう攻めるか。
社内会議の結果、現在の居住者である奥様には最短で退去いただこうとなりました。
賃料払わない、無職(本人より聞取)、会話が成り立たないということで残念ながら信用がなく、今後も賃料が入らないものと判断しました。
そこで顧問弁護士に相談。
最短で退去していただく方法。
1、任意に退去していただく
2、それが無理なら相続人に相続放棄してもらい強制退去させる
1番目ができればこの上なく楽なのだが、過去2回の折衝で自分には無理だと判断。
では自分以外に誰が可能か考えた時に、第1順位相続人の娘から言ってもらえたら効果があるのでは?
そう思い、第1順位相続人の娘の住所に内容証明郵便送付。
自己紹介となぜ郵便を送ったか、一度電話で話したい旨を記載。
さてさて、娘からの返答はあるのだろうか。。。
第1順位相続人と交渉
ない場合は直接訪問になるのだが、調べると片道3時間程度かかりそうなのでできれば行きたくない。行ってもいるかわからないし、居留守使われるとか、門前払いされるかもしれないし。
電話来てくれ!!
と考えていた翌日。
masaruの携帯に見覚えのない市外局番。
第1順位相続人は県外在住なのでこれはもしや!
と電話を取ると、その相手は第1順位である娘のご主人。
手紙を受け取った旨と、自分たちの状況を話してくれました。
・義理母には大変な思いをさせられ、自分たち夫婦も離婚の危機になった
・奥様はできるだけ母に関わりたくない
・子供が5人おり日々の生活で手一杯で義理母の事は構えないし考えたくない
・義理母関係の話は全て弁護士に相談している
・お金も時間もないので様子を見に行けないし、そもそも行きたくない
ご主人の話を聞いてて本当に大変な思いをしてきたのだなと強く感じ複雑な気分に。
一通り話を聞いた後、一応こちら側の要望をだめもとで説明。
退去に向けて本人と話してもらえないかと。
結果は案の定NG。
そのうえ退去になったら自分たちの所に来る可能性があるからか、『話せば時間がかかるが理解ある人なので大丈夫ですよ』だって。
いやいや、賃料は??
仮にいい人でも、賃料払ってもらえないと困りますし。
なので最終的には相続放棄するとのこと。
数日後、相続放棄の受理証明書の写しが会社に送られてきました。
次に話すのは第2順位である賃借人のお母さま。
ここまですでに滞納から2か月程度経っている。
相続は時間がかかる。。。
では今回はここまで。
masaru
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