どうも、現役不動産会社員のmasaru(@masaru)です。
マイホームの資金調達には住宅ローンですよね。
住宅ローンを組む以外には現金購入になりますが、数千万円単位の不動産を現金購入する方はとても少ないです。
日本ではマイホーム購入のおおよそ8割は住宅ローンを使います。
そこで今回は不動産購入時に皆さんが利用する住宅ローンについて詳しく書いていきます。
これから住宅ローンについて勉強していこうという方などの参考になれば幸いです。
不動産屋に相談
住宅ローンの事は正直銀行より不動産屋の方が詳しいですし皆さんのお役にたてます。
なぜかというと銀行は自社の商品のことはプロフェッショナルですが、他社商品まで理解していません。
不動産屋は多くの金融機関の知識を幅広く持っているので銀行選びは不動産屋に行ってあなたの状況を加味したうえで相見積もりした方が賢明です。
さて、住宅ローンの相談をされた不動産屋は以下の内容をあなたに聞きます。
・購入目的
住宅ローンは個人が住むためのローンです。その為民泊利用や賃貸利用などでは使えません。
・職業
公務員や上場企業のような固い職業の場合はローンに通りやすいです。逆に会社経営者や自営業の場合は経営状況を重視され渋い見方をされます。
・勤務先会社名or経営会社名
会社の情報をネットで調べます。会社有無、業歴、従業員数、売上、従業員数、資本金など。
・勤続年数or経営年数
会社員でも経営者でも3年以上がベストです。1年以上でも前職とのつながり(ヘッドハンティングなど)転職先でも役職、物件購入の自己資金、返済比率※1など総合判断で通ることもあります。
・年収
希望物件または希望予算額を組めるか確認します。銀行によって住宅ローン限度額の計算方法は異なりますので、年収の7.5倍程度を目安にしてください。
年収 | 住宅ローン限度額目安 |
400万円 | 3,000万円 |
500万円 | 3,700万円 |
600万円 | 4,500万円 |
700万円 | 5,200万円 |
800万円 | 6,000万円 |
・家族構成
夫婦+子のようなオーソドックスなファミリー構成ですと問題ありませんが、
例えば未入籍の場合は、ローンの条件に入籍が付くこともありますし、単身の場合は銀行の目が光り、居住目的ではなく賃貸に出すのでは?などの見方もされる可能性もあります。
例えば単身でファミリータイプ物件を希望していたら違和感ありますよね。
・お借入の有無
オーソドックスなのはオートローンです。
オートローンがあると残債次第でローンが組めない又は大幅に減額になります。
その場合は一括返済が求められますが、自己資金が必要ですよね。
・頭金の有無
頭金の有無でローンの審査に大きく影響します。
現在は自己資金がなくても銀行の見方は寛容なので、収入やお仕事やお借入れが一定条件を満たしていればローンは通ります。
ただ自己資金があることで住宅ローンの審査が通りやすくなったり、自己資金が物件価格の1割~2割程度あれば優遇金利※2もいい金利を取りに行くことができます。
・病気の有無
病気の内容次第では住宅ローンを組めないことがあります。
住宅ローンを組む際に金融機関を保証するための保証会社に加入します。
保証会社が実質的に住宅ローンの審査をするのですが、病気の内容次第で保証会社の審査が通りません。
これは住宅ローンの事前審査ではわからず、本審査の時に団体信用生命保険という保険加入の審査でわかります。
※1 返済比率とは、年収に占める年間の返済額の割合です。返済負担率とも言います。
※2 優遇金利とは、個別案件よって金利を安くしてくれる制度です。
年齢制限
住宅ローンには年齢制限はあります。
金融機関により異なりますがおおよそ以下のような制限があります。
・お借入時 20歳以上70歳未満
・ご返済時 80歳未満
日本のマイホーム購入の約50%は30代、約30%は40代なので、返済期間の変動はございますが住宅購入検討者のほとんどの方が年齢制限はクリアできそうです。
借入金額
500万円以上1億円以内が多いですが、最近では1億円を超える銀行も増えてきました。
1億を超える住宅用物件が増えてきたためです。
融資までの4つのステップ
1.事前審査
↓
2本申込み
↓
3金銭消費貸借契約(金消契約)
↓
4.決済・物件引き渡し
全ての工程で1か月~2か月程度になります。
以下、順番に解説していきます。
1.事前審査
一番最初に行うのは事前審査。
事前審査の審査期間はきちんと書類が揃っていれば3以内です。
早ければ書類を提出した当日に回答がきたりします。
以下のタイミングで事前審査をします。
・興味がある物件が見つかった時
まだ買うまでは至らないが、興味があり購入候補に上がった時に事前審査をします。
事前審査をしておくことで買いたい気持ちになった時にすぐに動けるよう準備の為です。
・自分がどの程度ローンが組めるか知りたいとき
ざっくりと年収から住宅ローンのお借入限度額を計算することはできますが、
特定の銀行でマックス金額を知りたい、ローンが組めるか銀行のお墨付きが欲しい時に行います。
・個人情報が心配な時
クレジットカードを使えない、または過去使えないことがあった、オートローンがある、
滞納したことがあるなどのお金にまつわることで心配があるときに事前審査をします。
・希望物件の購入申込をする時
不動産の購入をする前に、その物件で住宅ローンが使えるかきちんと確認したうえで契約します。
その為希望物件のお申込みと同時に金融機関に事前審査の打診をします。
この場合は3行程度の金融機関に打診して、一番条件が良いところで進めましょう。
金融機関や個別案件によって変わりますが、必要な書類はおおよそ以下のようになります。
住宅ローン事前審査必要書類
1.物件の販売図面
2.身分証明証(顔写真付き)
3.健康保険証
4.収入証明書
5.ローンがあればその償還表
2.本審査
不動産売買契約を締結後、速やかに住宅ローンの本審査を行います。
審査期間は書類が全て揃ってから10日以内が目安です。
7日程度で出ることあれば、12日程度かかったこともあります。
事前審査はで承認になった場合でも、100%本審査で通るわけではありません。
しかし本審査が承認になれば確実に住宅ローンが組めます。
契約前に3行程度事前審査の打診をしているので、一番条件が良いところで本審査の打診をしましょう。
新規の銀行で打診をしてみたい場合、事前審査をしていない銀行でも可能です。
その場合、事前審査から進めれば本審査の結果が出るまで数日のタイムラグが出てしまうので
売主や仲介業者とスケジュールを相談のうえ進めるか、事前審査はせず、本審査から進めます。
本審査に必要な書類は以下になります。
1.収入証明書
源泉徴収票や確定申告書、課税証明書や納税証明書が必要なケースもあります。
2.本人確認書類
免許証、マイナンバーカード、実印と印鑑証明などが必要になります。
3.勤務先を証明する書類
場合により職歴書の提出を求められます。
4.家族に関する書類
発行3か月以内の住民票が必要になります。
5.購入物件の書類
売買契約書、重要事項説明書、謄本(土地・建物)、公図、測量図、平面図、建築確認済証等。
3.金銭消費貸借契約(金消契約)
本審査が承認になったら金銭消費貸借契約をします。
銀行と住宅ローンを組むための契約です。
おそらく不動産屋さんや銀行からは『金消契約(きんしょうけいやく)』と言われます。
平日か土曜日に銀行で書面にて契約、または電子上で契約します。
内容はお借入金額や資金使途、返済期日、利率などの融資条件が記載されていまなお
尚金消契約で交わす契約書は課税文書につき印紙税がかかります。
以下の金額の印紙を金消契約当日に持参します。
お借入金額 | 印紙額 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円以上50万円以下 | 400円 |
50万円以上100万円以下 | 1,000円 |
100万円以上500万円以下 | 2,000円 |
500万円以上1,000万円以下 | 10,000円 |
1,000万円以上5,000万円以下 | 20,000円 |
5,000万円以上1億万円以下 | 60,000円 |
4.決済・物件引き渡し
金銭消費貸借契約が終わればいよいよ決済・物件の引き渡しです。
平日の午前中に銀行または不動産屋さんに集まり、お金の支払いと物件の引き渡し(鍵の授受)をします。
この日から物件は買主の所有権になり、売主への支払いも全て完了させます。
まとめ
今回は住宅ローンの組み方について解説してきました。
重要な所をかいつまんで復習すると以下のようになります。
・住宅ローンはお勤めで自己資金があると通りやすい
・既存のお借入れや過去滞納などあると融資の減額やお借入不可の可能性もある
・住宅ローンは事前審査、本審審査、金消契約、決済の4ステップ
・事前審査(物件契約済)~決済迄1か月~2か月
・事前審査で承認になっても100%確実ではない
・決済は平日の午前中に行う
自分は不動産屋なので無意識に住宅ローンを通るように生活を調整していたので、まったく問題ありませんでした。
ただそれが不動産屋意外となると、カードキャッシングやオートローンなど上手に利用すれば便利な金融商品がありますので、正直ハードルは低くないと思います。
なので不動産購入を意識し始めた場合、ご自身の財産状況の棚卸をお勧めします。
では今回はこの辺で。
最後までありがとうございました。
masaru
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